探検NIGHT! 2023/7/17(月・祝)奴隷貿易調査旅行報告、ジェンベ・レゲエDJライブ
早稲田大学探検部の先輩である上幸雄(うえこうお)さんが取り組む奴隷貿易調査のアシスタントとして、2023年4月、ジャマイカ・アメリカ調査を行いました。音楽も交えて、調査報告と奴隷貿易の歴史に関する報告会を都留市内の古民家にて開催します。

「探検NIGHT!〜奴隷貿易の旅ジャマイカ・アメリカ編〜」
現代、奴隷制度は廃止されて久しいが、その歴史は現代の社会や文化にも多大な影響を与えている。
奴隷制の歴史を紐解くために、現地へ赴き、旅を続ける中で感じたことは一体なにか。
見ること、聞くこと、感じること。
自分の身体と心で感じることで、一生忘れられない記憶が形成されることがある。
その記憶は、いつしか自分の生き方にも影響を与え、さらなる関心を生む源泉となる。
若者たちに、躍動する記憶の熱を感じてもらう機会を作りたい。
音楽や食事を交えながら、日本から離陸し、異文化を追体験する夜です。
ぜひ、ご参加ください。
日時
2023年7月17日(月・祝日)16:00〜20:30
場所
一棟貸古民家 羽休めの里
山梨県都留市平栗720
https://qr.paps.jp/39yxb
アクセス
・車の場合
新宿から中央高速で都留ICまで約70分。都留ICから10分。
・電車の場合
最寄駅は富士河口湖線都留市駅。都留市駅よりタクシーで13分。
駐車場
15台まで駐車可能
参加費
3,000円(1ドリンク付き、大学生2,000円、高校生以下無料、子供も大歓迎)
※キッズスペース用意します。
タイムテーブル
15:30 会場
16:00 Start
16:10 ジャマイカ・アメリカ調査旅行報告(大野航輔)
16:40 奴隷貿易の旅講演(上 幸雄)
17:25 質疑応答
17:40 早稲田大学探検部OBによる告知
18:10 アフリカンパーカッションライブ(岩原大介)
18:40 レゲエDJライブ(DJ Hiro)
20:30 終了
問い合わせ
大野 志乃(090-5320-5191)
https://www.instagram.com/happyend_4no/
スピーカー
■ 上 幸雄(早稲田大学探検部OB、「奴隷貿易の旅」著者)
1945年奈良で生まれ、東京・目黒で育つ。都立青山高校では地理部、早稲田大学では探検部に所属し、国内外で山登り、川下りに励む。
在学中に早稲田大学ナイル河全域踏査隊隊長として、4人の仲間とナイル河川下りに挑戦。
教育学部地理歴史専修卒業後、商社に入りアラスカ、ミシガンで漁業に従事、五大湖の環境汚染問題を知る。
帰国後、環境・公害問題専門誌の編集に従事した後、地域交流センターで廃棄物・トイレ問題、自然保護問題の調査・編集などに関わる。
1985年に日本トイレ協会設立に加わり、95年から理事長。2009年にNPO法人トイレ研究所を設立し代表理事に就任。現在、NPO法人日本トイレ研究所理事、NPO法人山のECHO代表理事。技術士(環境部門)
■ 大野 航輔(早稲田大学探検部OB、株式会社リトル・トリー代表)
1978年生まれ、横浜市出身。早稲田大学、立教大学大学院にてネイティブ・アメリカンの文化変遷を研究。大学時代には早稲田大学探検部に所属し、モンゴルからロシアへ約1,200kmをカヤックで旅行。
2004年に木質バイオマスエネルギーコンサルティング企業に入社し、各地の木質バイオマスエネルギー利用調査や二酸化炭素削減手法調査に携わる。2013年には道志村地域おこし協力隊に転職し、2016年、株式会社リトル・トリーを設立。
現在は、バイオマスエネルギーコンサルティング、森林経営計画の策定・実施、MTBトレイル整備と小規模林業の一体化、薪の製造・販売、古民家宿泊施設「羽休めの里」の運営などを行っている。
また、2021年から小菅村地域林政アドバイザーとして、人工林整備とMTB活用の融合を行う、「オープンフォレスト」プロジェクトを進めている。
Instagram_大野航輔
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【スペシャルゲスト】
ミュージシャン
■ 岩原大輔
学生の頃より打楽器奏者として演奏活動を始める。
94年に世界的ジェンベ奏者MAMADY KEITAと出会い、ベルギーに滞在し欧米やアフリカなどで多くの音楽家と交流。
97年には西アフリカ・マリ共和国に渡りマリ国立舞踊団(LE BALLET NATIONAL DU MALI)の門下に迎えられる。
98年からはKEN ISHIIのレコーディング・ワールドツアーに参加。その後ギニア共和国で現地のグループに加わり様々な舞台をつとめる。
01年からは拠点を日本へ移し東京国際映画祭、Christian Diorのファッションショー等の舞台で演奏。またジェンベワークショップの主催を始める。
14年にはブルキナファソのシンガーNouss Nabilのライブ出演の為現地に渡航。
自身のグループ旅猫油団、シュトカプーでの演奏の他多くのミュージシャンとの共演など多方面で活躍中。
18年小沼ようすけトリオ、シシドカフカ主催のel tempoに参加。
21年パラリンピック閉会式にて演奏。
22年Rock in Japan Fes.、SummerSonic等出演。
HP
https://www.iwaharadaisuke.com/wp/
instagram
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■ DJ Hiro Hit&Smile Reggae from LA
アメリカ西海岸から帰国。
日本、米国、メキシコ人Amigo/Friendsと35年以上繋がり、自然と平和を揚げ、レゲエdub DJにて平和拡散の活動をする。
フードコーディネート
■ 真鍋流農園
相模原市で農薬、化学肥料を使用せずお野菜を育てている。
イベント出店やお弁当注文受付、月一カフェでの料理提供など農家の傍ら行う。
当日はラテンの新鮮タコス+ナチュラルドリンクを提供。
HP
https://gonavgonav.wixsite.com/manabestylefarm
instagram
https://www.instagram.com/manabestylefarm/
協力
NPO持続可能な郡内地域づくり研究会
早稲田大学探検部OB有志
【なぜ今、奴隷貿易の調査なのか?】
4月3日から23日まで、アメリカ3都市(ボストン、ニューヨーク、チャールストン)、ジャマイカへ行ってきた。目的は、奴隷貿易に関する歴史的箇所の調査。
まず、4月3日から12日まで家族とジャマイカの地理や状況の下見を行い、11日に家族と別れ、アメリカ・ボストンで上さんと合流。その後、ニューヨーク、チャールストンと南下し、再度、ジャマイカへ入国し、4月23日に日本へ帰国した。
多くの人に質問される「なぜ、奴隷貿易?」。それは、人との出会いの賜物で、偶然と幸運が重なった結果でありつつ、自分がかつて探求していたことと調査の目的が接続するからだった。
早稲田大学探検部の大先輩である上幸雄(うえ こうお)さんが、長年取り組んできた奴隷貿易の歴史調査。その記録は「奴隷貿易の旅」にまとめられ、自費出版されている。現在、2巻が出版される段階で、3巻を執筆されるための調査が今回となる。上さんから調査アシスタントをしないかという依頼を頂いたことが、出発点となった。
大学時代、最大の関心はアメリカインディアンの歴史や文化だったが、英文学科のゼミでは黒人文学を学ぶ機会もあった。
その際に、ハーレムルネッサンス期の作家である、リチャード・ライト、ラングストン・ヒューズ、ゾラ・ニール・ハーストンを読み、インディアン政策とは異なるアメリカの闇、人間のもたらす闇に触れた。
その後、大学院でインディアンの文化変容を主軸としながら、ポストコロニアリズム(脱植民地主義)を学んでいたことから、帝国主義の拡大を支えた最大要因である奴隷貿易は、いつかきちんと調べたいと思いつつ、その時は、911テロ事件の影響もあり、イスラム世界に対するオリエンタリズムの方が関心が高かった。
自分もまた、上さんと同様に、関心はありつつも、調査や研究を実践することは社会人になってからほぼ放棄していた状態だった。アメリカも、大学時代にインディアンの居留地を訪問してから、一度も行っていなかった。
今回依頼を断れば、上さんと一緒にカリブへ行く貴重な機会は二度と訪れないだろう。
そして、上さんの夢である3巻目の執筆を支援し、その本を読んでみたい。
何よりも、奴隷貿易によってイギリスが蓄積した膨大な資本が産業革命の達成を支えたその仕組みを理解したい。
そうした動機によって、アシスタントを引き受けさせて頂いた。
上さんは、現役時代にナイル川源流調査のために航路でアフリカへ渡った際に、奴隷貿易のことに関心を持つ。それから、50年間、本格的な調査を行うことは出来なかったが、退職後、60歳から調査活動を個人的に開始し、欧州各国、アフリカ等、奴隷貿易に縁のある地域を訪問してきた。50年間も調査への情熱を継続し続けたことに驚いてしまう。
その思いは、「奴隷貿易の旅」のあとがきに記されている。
「フォートジーザスでの奴隷貿易との最初の出会いから2017年で50年になる。この間、私は奴隷貿易への関心の灯は心の片隅に灯しつづけてきたが、結局、何もしないうちに、日常に埋没させてしまった。2017年に仕事に一定の区切りをつけた段階で、やっと、奴隷貿易の調査研究を本格的に開始した。
この調査研究を思い立ったのには、もう一つの理由があった。奴隷貿易という歴史上の事実について、私に限らず多くの日本人学生にとってなじみの薄い世界の話であったことだ。高校の授業や教科書であまり取り上げられていないことから、この世界史上まれにみる出来事を、とくに若い人たちもっと伝えていく必要があると思ったのだった。」
今回の旅は、「奴隷貿易の旅」3巻目の執筆調査のため、奴隷貿易を構成する3辺目(カリブ・アメリカ→イギリス)の調査を行うことが目的。1辺目はイギリス→アフリカ、2辺目はアフリカ→カリブであり、これまで10数年をかけて調査を自費自力で実施してきた。
現在、上さんは75歳。長期の海外旅行は体力の面から、若い時と同じようにはいかない。今回、自分は上さんの旅をサポートするため、航空券、ホテル、レンタカー等移動の手配と、博物館等のヒストリックポイントの選定、交渉等の通訳を行った。渡航前の調整、現地での行動と、予定がぎっしり詰まった工程をクリアする忙しさも、終わってみれば充実感に変わっている。
カリブ諸島で奴隷人口が多かった国は、ハイチ、ジャマイカ、キューバとなる。
この中でハイチは1804年のハイチ革命によって、黒人奴隷が蜂起し世界で最初に奴隷制を廃止し、黒人による独立国家(ハイチ共和国)を作った。このことは、特にアメリカの白人プランターを恐怖に陥れ、黒人奴隷に希望の光明を与えた。その後、アメリカでは、奴隷反乱の件数が増加し、自由黒人の人口が増え、奴隷制度廃止の気運が高まっていく。
そうした背景があり、当初、ハイチに渡航する予定だったが、政情不安が激しく、渡航危険度のレベル4で退避勧告が出ていることから、キューバかジャマイカへ変更せざるを得ない状況となった。
キューバはアメリカ経由での渡航が制限されており、チケットの入手が困難だったため、ジャマイカを選択することになった。
当初、ジャマイカは、ボブ・マーリーとレゲエによる力強い自主独立のイメージと、青い海と美しいビーチのイメージくらいしか想起できなかったが、歴史を学び、実際に現地で交流をすると、300年に渡るスペイン、イギリスの植民地化と奴隷制による抑圧や、それに対する闘争の営みが今も昨日のことのように語り継がれ、人々の中に確固として生きているように感じた。
調査地がジャマイカに確定したのは、3月中旬であり、4月下旬に調査を終えて帰国したので、約1ヶ月の間に、自分のジャマイカに対するイメージ、情報、関心、感覚はことごとく変化した。
短期間でここまで激しく変化する体験を、過去、経験したことがない。現地へ行かなければ得られなかった。確かにそう思う。
【調査箇所】
今回の調査で訪問した箇所の一覧をグーグルマイマップにまとめました。関心ある方が確認できるように共有します。
特に、ジャマイカの博物館、歴史的建造物の一覧は情報が少ないため参考になるかもしれません。
また、ジャマイカの治安は、2023年2月時点で全エリアが危険レベル1(十分注意)、キングストンのダウンタウンは危険レベル2(不要不急の渡航は控える)に引き上げられました。
カナダ政府は警戒箇所を指定しているため、情報をマイマップに配置し、調査箇所選定の際の参考にしました。






